AGE WELL

スローなエイジングのために

プロテイン、まだ飲んでるの?

たんぱく質は、栄養学(西洋の)で言うところの4大栄養素の一つ。

だから取らなきゃ、とせっせと頑張って取っている人が多いのですが・・・。それって本当に必要ですか? 

先日、女子ボディビル(現在はフィジークと言う名称に変更)のチャンピオンを数年勝ち取ってきた西本朱希さんのセミナー&トレーニングに参加してきました。

以前から私は西本朱希さんのファンです。彼女は、今は引退して運動指導をしていらっしゃいます。今も素晴らしい体格をされていますが、やはり現役時代の体格は本当に逞しくて美しい。どこが他の選手と違うのかと言うと、わざとらしくない筋肉のつきかた、とでも言いましょうか。筋肉は、しっかりと盛り上がっているのですが、不自然なつき方ではないのです。そして、どこかの記事で、彼女は自然食でやっている、と言うことを聞き、とても興味を持ちました。

つい先日、筋力トレーニングと食事に関する公開セミナーを西本朱希さんが行うと知り、参加してきたのです。

そのセミナーでのお話。

彼女はかつて無敵のボディビルダーでした。当時、会う人に度々「どんな食事をしているんですか? プロテインはどれくらい飲むんですか。」と聞かれたそうです。そして彼女の答えは「え? 普通の食事ですよ。プロテインは飲まないです」。

彼女いわく、そんなにタンパク質はいらない。必要量を摂ればそれで十分だそうです。

数字的な話になりますが、一般の成人が1日に必要とするタンパク質量は、約0.8g x 体重(kg)。50kg の人なら、40gとなりますね。

例えば、ご飯お茶碗1膳に含まれるタンパク質量は、約4.5g。これに、お味噌汁、野菜の煮物、お魚一品などをつければそれだけでタンパク質量は約36g程度。。。

私は体重44kgなので(背が低いから・・・)、1日の必要量(35.2g)を、一食で超えちゃいますね〜。

怖いのはタンパク質の過剰摂取。通常の必要な量の倍を成人に摂取させる。例えば、体重50kgの人に、毎日100g前後のタンパク質を摂取させ続けると・・・

インスリンの感受性低下、酸・シュウ酸塩及びカルシウムの尿排泄増加、糸球体ろ過量の増加、骨吸収の増加、血しょうグルタミン濃度の低下、といった好ましくない代謝変化が生じるそうです。

でも私は運動をするから・・・と思う人もいますよね。ところが、軽度から中程度の運動をしてもタンパク質必要量は増加しないことが報告されているそうです。

何といっても、もとボディビルのチャンプが「プロテインいりませんよー。普通のバランス良い食事が一番ですよー」と言っていますからね。説得力あります。

彼女の現役時代(もちろんこの時もプロテインなしで普通の食事)の美しい身体を見たい人は、こちらを見てくださいねー。

実は私も5〜6年前までは、タンパク質の信奉者でした。肉や魚をどんどん摂取し、ハードな筋トレをしては、プロテインを飲み・・・

でも4〜5年前から、今のマクロビオティクスを中心とした穀菜食に変えました。筋肉のつき方は特に変わりありませんし、むしろついたかもしれません。

何よりも怖いのは過剰摂取。過ぎたるは及ばざるがごとく、ですね。

以上の内容は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015)」に基づいています。

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プロテインではなく、温かい三年番茶をお供に筋トレ!

 

ウォーキングでここまでできる!

今日は朝から、筋肉痛である。

それは昨日ウォーキングをしたから。そしてたったの20分間。その短いウォーキングが私に筋肉痛を起こさせている。

さて、ウォーキングにはどんなイメージをお持ちでしょうか。

以前の私は・・・女性が、マイペースで歩いている。あるいは、女性同士がおしゃべりをしながら、楽しそうに歩いている。そしていずれの場合も、汗はたくさんかいていない。

こんな情景を思い浮かべていました。

つまり、ウォーキングは、誰でもできる手軽なエクササイズ、でも大きな効果はそれほど期待できない・・・と思っていました。

ところが、その私が、最近ウォーキングにはまっているのです。ただし、それはとてもスポーティで、汗をたっぷりかくようなウォーキングです。

ウォーキングと一言で言っても、いろんなバリエーションがあります。例えば、ロング ストライド(できるだけ大股で歩く)、スピードウォーク(とにかく速く歩く)、ダンベルウォーク(ダンベルを両手に持って歩く)、など。もちろんスタンダードウォーク(呼吸を整えることができる程度の強度のウォーキング)も。

いずれも歩くフォームはほぼ同じ。骨盤を立てる(後傾、前傾にならないよう)、肩甲骨をしっかり使って腕を引く、骨盤底筋群が緩みっぱなしにならないように意識する、です。

そして重心移動がとても重要になります。

太っている人(自分の体重に見合う筋肉量がない場合)や、お年寄りは、歩くときに左右に重心移動して歩いていることが多いですよね。後ろから見ると肩がシーソーのように揺れています。私の夫は肥満体なので、歩く姿を後ろから見ると、肩が左右に揺れています。また、普通の人でも疲れてくると、左右に肩を揺らすようになります。この歩き方は、体重移動が上手に行われず、重心が左右に流れてしまっているので、効果的なウォーキングになりません。ウォーキングの重心移動は、前へ、前へ、です。

おさらいすると・・・

1)骨盤を立てる

2)肩甲骨を使う

3)骨盤底筋群は締め気味に

4)重心移動は前へ

このルールさえ守れば(でも、これが案外難しいかも!)、効果的なウォーキングをエンジョイできます。姿勢や歩き方は、自分では気づきにくいので(みんな、自分は出来ていると思いたいもの)、誰かにチェックしてもらうとよいかもしれませんね。

そのほか、歩くときは背筋を伸ばす、とよく言われますが、頑張りすぎて背骨のS字カーブを損なってしまうのはよくないそうです。

さあ、上記のフォームで、ウォーキングをしてみませんか。のんびり歩くのではなく、強度を上げたスピードウォーク(またはパワーウォーク)やロングストライドを入れながら、たっぷり汗をかきましょう。

こうなると、ウォーキングは立派なワークアウトですね。だから通勤の駅までウォーキング、とかはちょっと難しいかも。そして、場所も、道路よりは公園などの車があまり来ないような場所がいいですね。

もちろんランニングと同様、音楽もあると嬉しい。最近は「ウォーキングのための音楽」とかも出ています。

そのほか、私はスポーツアプリを使っています。ウォーキングのプログラムメニューがいくつもあって、その日の気分で10分コースとか30分コースとかを選べて、コーチの音声ガイドで、速く歩いたり、ゆっくり歩いたり、深呼吸を入れたり、します。

厳しい暑さの夏がすぎ、爽やかな季節になってきました。汗をかくスポーティなウォーキングを、あなたも生活に取り入れてみませんか。

ちなみに、厚生労働省の e-ヘルスネットでは、ウォーキングについてこのように述べています。

〜「歩く」という老若男女を問わず行うことが可能な活動を、動作の質や強度を考慮することによって、健康増進や生活習慣病予防のための運動とすること 〜

歩く、という基本的な動作だからこそ、意識して改革してみましょう。きっとよいことがあります。

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左が私のウォーキングシューズ。右がランニングシューズ。

 

ドロシーの死と私の健康

私が今の食生活になったきっかけは、今から5年前、飼っていた犬のドロシーが癌になったことです。

ドロシーの喉のところにコブのようなものができていたのを発見した時は、もうかなり進行していたようです。

一度外科手術をして、腫瘍を取り除いてもらいましたが、あっという間にほかの場所に転移してしまいました。「また手術をして、転移した箇所を取り除きましょう」と獣医さんに言われましたが、私は考えてしまいました。「この先一体何度手術をするのだろう・・・」。

そして1週間だけ考えさせてくださいと伝え、1週間後、獣医さんのところへ行きました。1週間しか経っていませんでしたが、ドロシーの癌はまた悪化していました。獣医さんの言葉は「もう手術しても、効果はないと思う。このままにしておいたほうが良いと思います。だから残念ながら、もう何もできないです」。

ショックでしたが、獣医さんが正直に話してくれて誠意を感じました。

ただ、私としてはまだ諦めきれなくて「まだ何かすることがあるんじゃないか」と思い、落ち着かない気持ちを抱えて自然療法の獣医さんを訪ねました。

そこで、末期癌のドロシーに勧めてくれたのが、甘酒(無農薬の玄米麹で作る)、葛湯でした。また、ドッグフードはすぐにやめてマクロビオティックな食事に切り替えました。料理が不得手な私でしたが、ドロシーのためだったので、喜んで作りました。

獣医さんからいくつかレシピを教えていただき、頑張って料理をしているうちに「ドロシーに作ってあげたものを私も一緒に食べちゃえ」と、自分の食事の支度の時間を省くために、ドロシーのために作ったものにちょっと味付けして私の食事にしました。

犬は100%飼い主の管理下にあるので、飼い主さえキッチリと食事療法を守れば、その効果がはっきりと出ます。また、犬は人間よりも自然に近いので、純粋な分、効果も出やすいようです。

これが人間だと、どうしても「これぐらいはいいだろう」と、禁じられているものを食べたりするものですが。

自然食を始めたドロシーは、瞳が澄んできました。また、毛艶も良くなり、被毛の手触りも良くなりました。血液も綺麗になり(採血の時に分かりました)、少し活力も出てきました。

一方、ドロシーと同じものを食べていた私にもいくつかの変化がありました。まず、なんとなく体調が良いのです。軽いというか、さわやかというか。。。また、瞳が以前よりも澄んできました。白目の部分は内臓の汚れが表れる場所ですが、前よりも澄んだ水色になっていました。そしてずっと悩まされてきた蕁麻疹が、なくなってきました。

これが私の、今の食生活の始まりです。

ドロシーは末期癌だったので、結局は死んでしまいました。死ぬ2週間前くらいに、夜中吐血をしまくったことがありました。何度も何度も繰り返し血のようなものを吐いて、とても苦しそうで、そして、その吐物はものすごい臭いでした。一緒の部屋で寝ていた私は、当然看病で眠れないのですが、そのものすごい臭いに酔っ払いそうになりながら、ドロシーをさすったりして労わりました。

あとで獣医さんにそのことを話したら「陽の排毒と言います。ドロシーちゃんがこれまで食べた鶏肉、卵、などの酸毒が一気に出たんですよ」と言われ、あの臭いと繋がりました。

自然療法に切り替える前、滋養がつくようにと、ゆで卵をドロシーに何度も食べさせたことがあり、そのことを思い出すと泣きたくなりました。

以来、私は卵をあまり好まなくなりました。

今の私の食生活はいたってシンプル。江戸時代の貧しい武士の家庭の食事のようです。でも調子がよいのです。外食時はお肉、お魚、添加物を避けることが不可能なので、もう諦めて、制限なくなんでも食べますが、それが続くと途端に瞳が濁ります。また、排泄にもかなり影響があります(これ、ちょっと書きにくいので、セミナーの時にでもお話ししますね!)

いかに自分が毒を摂取していたのか、つくづく思い知りました。

今日の私の健康は、死んだドロシーの置き土産です。

あんな小さな体で病気の辛さに耐え、最後までニコニコしていたドロシー。病気の怖さ、悲惨さを全部私に教えてくれました。

そういえばもうすぐドロシーの命日。この世にはもういないけれど、やはりお供えは、自然食を捧げたいと思っています。

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2012年。まだ病気になる前のドロシーと旅行に行った時のショット。

 

別れた男とのつきあい方

別れた男性とは、二度と会わない主義である。

なぜかと言われてもよく分からないのだけれど、私の人生の美学みたいなものかも。

でも、一度だけその掟を破ってしまったことがある。

20代につき合っていた彼が、2年前、突然私にメールしてきた。彼曰く、仕事でネット検索していたら、たまたま私の会社のサイトが引っかかり、そこにある私の写真を見て「もしかして・・・」と私だとわかったらしい。

彼からメールをもらって、正直嬉しかった。そして食事をすることになった。

彼と別れたのは20代の後半。そして、50代のど真ん中で再会するというのだから、30年以上も時はたっている。正直不安。今の私を見て腰を抜かさないか、幻滅されたらどうしよう、など。

約束の日、私はとにかく出来るだけ若く見られるように頑張った。でも、やりすぎると逆に「痛い」感じになってしまう。この調節がムズカシイ。

 

後にも先にも、別れた後再会した男性は彼一人。

今後はやはり当初の路線「別れた男とは二度と会わない」ことを貫きたい。

でも、歳をとると妙に寂しくなったり、人恋しくなったりするという。

あるいは、映画のように、昔の恋人が「俺は病気でもう長くない。死ぬ前に一度君にあって謝りたかった。」とか言って、年老いた私に連絡してきたら、私はどうするだろうか。

 

昔の恋人に、老いた自分の姿を見せるのは抵抗がある。

2年前、元彼と再会したのは 50代の真ん中だった。だからできたのかも。これが70代、80代だったら・・・自分を見せることに躊躇する。ちょっと想像できない。

別れたとは言え、その人にとって、自分は綺麗な女性でいたい、というのが女心。

それとも、歳をとると自分の外見などはどうでもよくなるのだろうか。 

認知症の母は、あんなになっても友人と会いたがる。

お風呂は入っていない、髪は乱れ放題、鼻水が垂れ、顔は汚れている。服はジャージ(しかもう着れない)、姿勢といえば、背中は思い切り海老のように曲がり、歩く姿はヨレヨレ。話せばトンチンカンなことばかり。こんな状態で、はたして人に会いたいものなのか、と思いきや、母は会いたがる。

非常に残念ながら、母の交友関係の中で、認知症になり、身も心も一番老いぼれてしまったのは母である。つまり、母の友人たちは、年は同じでも、綺麗にお化粧してお洒落をして、元気でぴんしゃんして仕事だってしていたりする。そんな友人たちと会って、惨めな気持ちにならないのだろうかと、こちらが気を遣ったりするが、それはいらぬ心配のようである。

ということは、私も老いぼれて、汚い姿になっても、昔の恋人と会いたいと思うのかしら。

 いや、少なくても今は、それはしたくないと思う。

二度と会わないと決めた掟を忘れ、別れた男にホイホイと会いに行く自分にいつかなるかもしれない。その日のためにも、AGE WELL で、今から努力していきたい。健康でしっかりした私でいたい。

そう思う私はまだ青いかな。

 

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7年前の私。若くて羨ましい(笑)

 

できる女は太っている

食いしん坊の女性はとても多い。

特に働いている女性のあの食べっぷりは、圧巻です。

私の周りにも、そんな女性がたくさんいらっしゃいます(笑)。

「美味しいものが大好き!」

「頑張って働いた自分にご褒美!」

と、食べるわ、食べるわ。

海老に魚介に、お肉にパスタ。そして締めのデザート!

男性はさぞ「女はよく食うなー」と思っていることでしょう。

男性にも食いしん坊はいると思いますが、やはり目につくのは女性の食いしん坊たち。そしてその特徴は美食家であることです。

なぜ女性はこんなに美味しくて贅沢なものを、食べても食べてもまだ食べるのか。

それはストレスのせい。

働く女性ってストレスが多いのです。

ただでさえ、女性は男性よりもやることが多いのです。

家事に育児に、自分の身だしなみ。メイク、ネイル、バッグにお洋服のおしゃれも欠かせません。時間はあってもあっても足りません。

現代の働く女性は本当に忙しい。睡眠時間を削ってまで頑張ります。

でも食べる時間はある(笑)。

それだけ忙しいと、かなりのストレスが溜まります。そしてそのはけ口として食べてしまうのです。食欲の半分はストレスから、と言っても過言ではありません。それが証拠に女性の食いしん坊さんは、皆グルメです。本当に疲れてお腹が空いているのであれば粗食でも構わないわけですが「今日は頑張ったから、美味しいものを食べよう!」とちょっぴり高価なお食事に走るのはやはりストレスからでしょう。

また、運動不足の女性も大食いです。運動不足だとストレスが溜まりやすいので、またその分食べてしまうのですね。仕事が忙しい女性が運動不足だと、ダブルですね。

そして、結果・・・太る。太ると動くことが億劫になってくる。動かないとストレスが溜まり、また太る。

現に職場で仕事のできる女性って、ぽっちゃりしていることが多くないですか?

多分ストレスを相当感じているのだと思います。

真面目で仕事を一生懸命頑張る分、ストレスが多くなります。

女性は45歳を過ぎたあたりから、代謝も悪くなって太りやすくなるのはみなさんもよくご存知のはず。昨日と同じものを同じだけ食べても太ってしまうのだから、悲しいですよね。

少しくらい太っても、それ自体は悪いことではない(むしろチャーミングであることも多いのです)のですが、太る→動かなくなる→ストレスがたまる→食べる→また太る、のネガティブスパイラルが問題です。

ストレス食いによる肥満を避ける効果的な方法の一つは、熱中できる趣味を持つこと。ストレスも軽減してくれますし、趣味に没頭している時間は、食べない時間であることが多いから。

ただ、やはり働く女性は時間がないので、趣味の時間を持つことすら難しい。やはり、忙しい女性にとっての手っ取り早いストレス解消法で、美味しいご褒美の右に出るものはないのでしょうか。。。

結局、月並みな方法になりますが、仕事の量、あるいはあなたを忙しくさせている活動(社交や家事労働など)の量を、もう少し減らしてストレスを軽減させてあげましょう。

仕事を頑張った→ご褒美のご馳走は食べず→寝る→運動する→食べる、が正しい順番ですよ!

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趣味と食欲の関係

あなたは趣味を持っているだろうか。

出来れば1ヶ月に一回とかの趣味ではなく、頻繁に、例えば、少なくとも週に一、二回はそのことに没頭するような趣味です。

 

私の母は、若い時から趣味は特になく、お友達と美味しいものを食べたり、おしゃべりしたりすることが好きでした。でも別に趣味がないからと言って、母は寂しいとか、満ち足りていない、とか感じたことはなかったようです。ちなみに私の主人も無趣味ですが「趣味とかなくても、別に不服とかないし、普通に楽しいよ」と言っています。確かにそうかもしれません。少なくとも今は・・・

 

私の母は、食べることが大好き。本人も「私は食いしん坊」と、嬉しそうに話しています。85歳になった今も、食べることが大好きです。また、胃腸が丈夫なのでしょう、かなりの量を平気で平らげてしまいます。

食べることが大好きな母なので、私は「美味しいものを食べるのが、何よりも嬉しいんだろうな」と、母のテーブルに、彼女が好きな食べ物、鮪のお寿司、焼きそば、フルーツ、おにぎり、煮物、アンパン、そのほか諸々・・・を、毎日のように多めに置いておいてあげていました。

ところが、その母が、最近食事の量をコントロールすることが難しくなってきたようなのです。認知症の人はそのようなことがよくあると聞きます。以前は、多くて食べきれない食べ物は残して、後で食べたりしていたのに、最近の母は置いてあれば全て食べてしまうのです。食欲がとても旺盛になってしまったのでしょうか。私の顔を見れば「お腹が空いて空いて仕方ないの。何か食べ物はある?」と涙目で訴えるのです。

そう言われると私もついつい「お腹が空くんだろうなぁ。それくらいしか楽しみがないんだから、せめて食べ物くらいたくさん置いてあげよう」と、多めに置いてきてしまいます。

それが良くなかったようで、先日、母は私が置いて置いた食べ物、明らかに一回では食べきれない量を一度に全て食べてしまい、ものすごい量の下痢になりました。母のいるリビングはひどいことになり、主人と私で半日がかりで床から椅子から、あらゆる場所を全て掃除する羽目になりました。

 以来、私も自分のやり方を反省し、一回に食べる分だけを、食事の時間になったら母に持って行き、余計な食べ物はテーブルにのせておかないようにしました。

すると、お腹が空くのか、食事と食事の間に、何度も私を呼んで「お腹が空いた」と訴えるのです。でも、食べ過ぎは内臓を疲労させますし、基本は腹八分目にしておくのが良いと思うので、母の訴えには応じず、適量の食事をあげています。

先日、午後の3時ごろ(一番お腹がすく時間ですね)、そうっと母の様子を見に行ったら、リビングの椅子にいつものように座ってうなだれていました。何もせずに。。。もちろんテレビもつけていません。

そして、私が少量だけどおやつを差し出すと、目の色が変わって「嬉しい」と食べ物に飛びつきました。そして美味しそうに「食べることだけが楽しみよ」と食べていました。

 

食べることだけが楽しみ・・・ってどうなんだろうか、と考えてしまいました。もしも母に何か大好きな趣味があったなら。。。食べることを忘れてしまうくらいのものがあれば。。。気も紛れたのではないかと思うのです。

 

趣味が老後の人生を救う、ということは以前書きました。でも、趣味が、食欲を制御することに役立つということには触れませんでした。

これは何もお年寄りに限ったことではないと思います。私の主人もいつでも「腹が減っている」のです。三度の飯より好きなことがあれば・・・そんなに食べることに依存し過ぎないと思うのです。

 

こんなことを書いている私も、食べることは大好きです。でも、大好きな趣味、筋トレやピラティス、ジョギング、犬との散歩、山登り、に夢中になっているときは、お腹は空かない・・・と言うより、気になりません。重たいバーベルを必死で挙げながら食べ物のことなどは考えません。そんな余裕はないです。

 

故・日野原重明先生は「お腹が空く人は、暇なんだ」と仰っていました。確かにそうだと思います。何かに没頭していれば、夢中になっていれば、食べたいなんて思わないのです。少なくとも必要以上には。

 

趣味はないけど、仕事に没頭している・・・という人もいるでしょう。ただ、仕事はストレスを伴いますので、仕事をしない時間にストレスの反動で過剰に食べてしまうことがよくあります。実際、仕事が忙しい人は、肥満気味のことが多いようです。ストレスが多くて食事で解消するからでしょう。また、趣味を楽しむ時間もないので、余計ストレスが溜まり、食欲も旺盛になります。

趣味は、基本的にはストレスを軽減させてくれるものですから、反動で食べすぎるということは、仕事に比べるとあまりないでしょう。

 

若いうちはまだ身体の自由もきくし、脳もキレが良いでしょうから、趣味がなくても、なんの不自由さも不足も感じないと思います。歳をとったときに、趣味のある人とない人では、大きな違いが現れるのかもしれません。

 

歳をとったときに、食べ物だけに依存しない生き方をするためにも、自分が夢中になれるものを見つけられるとよいですね。たとえ下手でも、夢中になれればよいのです。三日坊主でも、三日間夢中になって、その次にまた夢中になれるものを見つければよいのですから。

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一回の食事量はこれで十分なのかも。。。



あなたは何歳まで絶叫できるか?

昨年の11月から封切りになって以来、空前の長〜い大ヒット作となった映画「ボヘミアン ラプソディ」。

この映画、普通の上映とライブ上映(応援上映とか胸アツ上映とか呼ばれています!)の2種類があるのです。

ライブ上映は、拍手OK、手拍子OK、歓声OK、のまさにライブ感覚で楽しめる上映です。劇場によってはスタンディングもOKだったりします。

私はQueen のど真ん中世代で、中学生の頃からQueen のファン。今回のこの映画、制作が決まってからずっと心待ちにしていました。

11月に封切りしてから、まるで日課のように劇場に通い、すでに20回以上観てしまいました。で、途中からは、ひたすらライブ上映に。

4月17日に「ボヘミアン ラプソディ」のDVDが発売になったのを機に、そろそろ上映を終了する劇場が増えてきました。

TOHOシネマズ日比谷という映画館も、「ボヘミアン ラプソディ」のライブ上映をしている劇場ですが、それも4月の中旬で終了になってしまうというので、先日行ってきました。平日の日中だというのにシアターはほぼ満席! すごい人気なのですね。。。

さて、シアターで私の座席の左側に、女性が一人で座っていました。暗くてよく分からなかったのですが、多分中年以降の女性かな・・・と。

映画が始まった途端、毎度のことですが私は興奮しまくりで、オープニングでBrian MayRoger Taylor の名前が出た途端に大拍手! 

この作品にはいくつも大好きなシーンがあるのですが、その度に拍手と声援。そしてもちろんライブシーンでは「キャーーーーーーーー!!!! ロジャー!!!」「フレディー!!!!!!」とまるで女子高生のように叫びまくり、一緒に歌いまくります。

もちろん WE WILL ROCK YOU では例の Stomp, Stomp, Clap !  RADIO GA GA でも、あの手拍子!
劇場で一番うるさかったのは私かもしれません・・・。

私の左隣の女性は、最初おとなしかったのですが、映画のストーリーが進むにつれ、拍手が大きくなり、だんだん声を出して歌うようになってきました。だんだん、のってきたのかしらー。そう来なくっちゃね!ダーリン!

そしてライブシーンの最後の曲、WE ARE THE CHAMPIONS では、私はもうたまりかねて、その女性に手を伸ばし、肩を組んで、一緒に大合唱! ♪ ウィー、アー、ザ、チャンピオ〜ンズ、マイフレ〜ンド ♪ 

ライブ上映で、その女性とすっかり気持ちが一つになりましたよ。

映画のエンディングロールでは、Queen の実写が出てきたところで、私が「キャーーーーーーーー!!! フレディ!フレディ!  I LOVE YOU!!!!」と叫ぶと隣の女性も「きゃー!!! フレディーーーーー!」そして私に向かって「ここのフレディ、最高よねー!!!」と大興奮。

さて、楽しいライブ上映も終わり、シアターに照明が灯り、あたりが明るくなったので、左隣の女性に改めてご挨拶。「すみませーん、私うるさくって」と私。すると「とんでもない!こんなにノリのいい人がいてくれて、よかったわー!!!」と笑顔で答えてくれ、そして「私ね、今日でこの映画、17回目なのよ。もうすぐ上映終わっちゃうでしょう? いつも日本橋のTOHO シネマと、ここの日比谷の2箇所の映画館をずっと行ったり来たりしているの」とのこと。「わあ、本当にお好きなんですね、Queen が!」と私。

するとその女性が「もちろん、1月の来日公演には、あなたも行くわよね?!」

さらに「私ね、フレディと同い年なの。ずっとファンなのよー」と嬉しそうに話してくれました。

ということは・・・70歳!? 70歳であんなに絶叫するなんて、感動です! 見た所、特に派手派手しいわけでもない、上品な70歳の女性です。

70歳になっても大好きなロックバンドがいて、ライブ上映に通い詰め、そして来日公演もぜひ行きたいと興奮しているこの女性。むちゃくちゃカッコよくないですか?

年齢を重ねると、興奮したり、叫んだり、夢中になって「きゃー!!!」なんてやらなくなるような気がします。でもこの女性は違う。なんて素敵なんでしょう。

歳をとっても、何かに恋い焦がれたり、クレイジーになったりできる人ってなかなかいないと思うのです。

感動、興奮、絶叫・・・・・そんなことがナチュラルにできる70歳、80歳に、私もなりたいな、と思ったそんな日でした。

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ここはシネマシティ立川。連休明けまで BoRhap を上映するというツワモノ映画館!