AGE WELL

スローなエイジングのために

ドロシーの死と私の健康

私が今の食生活になったきっかけは、今から5年前、飼っていた犬のドロシーが癌になったことです。

ドロシーの喉のところにコブのようなものができていたのを発見した時は、もうかなり進行していたようです。

一度外科手術をして、腫瘍を取り除いてもらいましたが、あっという間にほかの場所に転移してしまいました。「また手術をして、転移した箇所を取り除きましょう」と獣医さんに言われましたが、私は考えてしまいました。「この先一体何度手術をするのだろう・・・」。

そして1週間だけ考えさせてくださいと伝え、1週間後、獣医さんのところへ行きました。1週間しか経っていませんでしたが、ドロシーの癌はまた悪化していました。獣医さんの言葉は「もう手術しても、効果はないと思う。このままにしておいたほうが良いと思います。だから残念ながら、もう何もできないです」。

ショックでしたが、獣医さんが正直に話してくれて誠意を感じました。

ただ、私としてはまだ諦めきれなくて「まだ何かすることがあるんじゃないか」と思い、落ち着かない気持ちを抱えて自然療法の獣医さんを訪ねました。

そこで、末期癌のドロシーに勧めてくれたのが、甘酒(無農薬の玄米麹で作る)、葛湯でした。また、ドッグフードはすぐにやめてマクロビオティックな食事に切り替えました。料理が不得手な私でしたが、ドロシーのためだったので、喜んで作りました。

獣医さんからいくつかレシピを教えていただき、頑張って料理をしているうちに「ドロシーに作ってあげたものを私も一緒に食べちゃえ」と、自分の食事の支度の時間を省くために、ドロシーのために作ったものにちょっと味付けして私の食事にしました。

犬は100%飼い主の管理下にあるので、飼い主さえキッチリと食事療法を守れば、その効果がはっきりと出ます。また、犬は人間よりも自然に近いので、純粋な分、効果も出やすいようです。

これが人間だと、どうしても「これぐらいはいいだろう」と、禁じられているものを食べたりするものですが。

自然食を始めたドロシーは、瞳が澄んできました。また、毛艶も良くなり、被毛の手触りも良くなりました。血液も綺麗になり(採血の時に分かりました)、少し活力も出てきました。

一方、ドロシーと同じものを食べていた私にもいくつかの変化がありました。まず、なんとなく体調が良いのです。軽いというか、さわやかというか。。。また、瞳が以前よりも澄んできました。白目の部分は内臓の汚れが表れる場所ですが、前よりも澄んだ水色になっていました。そしてずっと悩まされてきた蕁麻疹が、なくなってきました。

これが私の、今の食生活の始まりです。

ドロシーは末期癌だったので、結局は死んでしまいました。死ぬ2週間前くらいに、夜中吐血をしまくったことがありました。何度も何度も繰り返し血のようなものを吐いて、とても苦しそうで、そして、その吐物はものすごい臭いでした。一緒の部屋で寝ていた私は、当然看病で眠れないのですが、そのものすごい臭いに酔っ払いそうになりながら、ドロシーをさすったりして労わりました。

あとで獣医さんにそのことを話したら「陽の排毒と言います。ドロシーちゃんがこれまで食べた鶏肉、卵、などの酸毒が一気に出たんですよ」と言われ、あの臭いと繋がりました。

自然療法に切り替える前、滋養がつくようにと、ゆで卵をドロシーに何度も食べさせたことがあり、そのことを思い出すと泣きたくなりました。

以来、私は卵をあまり好まなくなりました。

今の私の食生活はいたってシンプル。江戸時代の貧しい武士の家庭の食事のようです。でも調子がよいのです。外食時はお肉、お魚、添加物を避けることが不可能なので、もう諦めて、制限なくなんでも食べますが、それが続くと途端に瞳が濁ります。また、排泄にもかなり影響があります(これ、ちょっと書きにくいので、セミナーの時にでもお話ししますね!)

いかに自分が毒を摂取していたのか、つくづく思い知りました。

今日の私の健康は、死んだドロシーの置き土産です。

あんな小さな体で病気の辛さに耐え、最後までニコニコしていたドロシー。病気の怖さ、悲惨さを全部私に教えてくれました。

そういえばもうすぐドロシーの命日。この世にはもういないけれど、やはりお供えは、自然食を捧げたいと思っています。

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2012年。まだ病気になる前のドロシーと旅行に行った時のショット。