AGE WELL

スローなエイジングのために

意欲が消える日

認知症。それは誰もが恐れていること。そしてなりたくないこと。

でも・・・確実に避けることはまだ難しいようです。

もちろん、なってしまう人と、ならない人がいるのですが。。。

その振り分けは神様だけが知っているようです。

人は、認知症のどこが、そんなに嫌なのでしょうか。認知症にも色々なタイプがありますし、また、同じタイプだとしても人によって症状は様々なようです。

私がとても恐ろしいと思う症状は、意欲がなくなってしまうことです。

一度でいいからパリの街並みを歩いてみたい、大好きな俳優さんと握手してみたい、東京オリンピックをこの目で見たい、自分の犬を最後まで看取りたい・・・

これらはすべて意欲ですが、このようなことを一切思わなくなってしまうということです。

さらには、もっとささやかな意欲も消えてしまうのです。

少しでも若く見られるように綺麗にしていたい、膝が痛いのを何とか治したい、毎週見ているあのテレビ番組を欠かしたくない、今日は汗をかいたからお風呂に入ってさっぱりしたい、ゴミを拾いたい、友達の声が聞きたい・・・

こんなささやかな意欲というか欲求も消えてなくなってしまう。

それはとても寂しいことのように思います。想像ですが。

 

認知症のお年寄りが、ずーっとずーっと一日中、椅子にただ、ただ座っていることがよくあります。

テレビとか雑誌とか、本とか、見たらいいのになぁとつい思ってしまうのですが、テレビも、雑誌も、本も・・・全て意欲の結果の行動なのですね。

意欲がなくなってしまった世界は、一体どんな世界なのでしょうか。

そして意欲はどこから来るのでしょうか。ちなみに、意欲の源は興味関心だと私は思っています。興味関心は「愛」です。

私の友人のお父様は、お孫さんをとても可愛がっていて、そのお孫さんの成長を見ていたいという欲求を持っているのだそうです。お孫さんが成人したら、一緒にお酒を飲みたい、だからそれまで元気でいたいと。

自分の心を傾けられる何かがある人は幸せです。

私はいくつまで、自分の興味関心の対象を失わずにいられるのでしょうか。

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