AGE WELL

スローなエイジングのために

趣味と老化の関係

長い間、仕事中心の生活を送ってきた私は、仕事と趣味を並べて、趣味を軽く見ていました。私自身、休日を趣味に打ち込む時間にするような経験はあまりありませんでした。が、最近は考えが大きく変わりました。趣味は人間にとって非常に重要だと思うようになったのです。

高齢になると、趣味が命綱になります。趣味があったおかげで、認知症を免れる、あるいはその進行を遅らせることに繋がると思います。

日常のよい習慣は出来るだけたくさん、若いうちに定着させておかないと、認知症になった時に困ったことになると、曽野綾子さんが著書「夫の後始末」で書いていて、なるほどと思いました。

認知症は近過去(曽野綾子さんの造語で、今から少し前の出来事)から忘れていくので歳をとってから習っても認知が進むと消えてしまい、逆に若いうちに身についたことは長年体と脳にしみついているので、高齢になっても持続できるというのです。

例えば、毎朝トイレの掃除をする、家にいても服装や髪型に気を配る、整理整頓を常に怠らない。。。などなど。これらの習慣を若いうちからしている人は、認知症になってもその習慣を忘れずにいられるようです。それは遠い過去の自分から今の自分への贈り物です。

趣味もきっとそうだと思います。なるべく若いうちから、興味の持てることを始めておきたいものです。

ただ、趣味といってもいろいろあって、何でもよいというものではないと思います。例えば、美味しいものが大好きで、友人たちと集い、レストランに行きまくる人がいますが、それは趣味というよりは娯楽でしょう。

読書はどうでしょうか。。。一見良さそうなのですが、読書は人から評価をされるような活動ではなく、つまり失敗をしないので、私的には、老化防止(認知症予防)にはあまり役立たないのではないかと思っています。このほか、テレビを観る、音楽を聴く、なども残念ながら娯楽の部類でしょう。

認知症予防には、人から評価されたり、上手く出来ないことが発生する趣味がよいと思います。

例えば、楽器を演奏するという趣味は、なかなか上達しないという事態が発生するので、効果的だと思います。ガーデニングはどうでしょう? やっていて枯れてしまう、花を咲かせない、病気になってしまう・・・ということが起きる(つまり、失敗する)ので、これもよいと思います。ダンス、スポーツ、料理・・・などもよさそうですね。

さて「自分は趣味はないけれど、仕事が趣味だ」という人はどうでしょう。。。

仕事というのは強制力がつきものです。それに対して趣味は、いつやめても構わないものです。だからこそ、自分の意志が必要なのです。言い換えれば趣味ほど主体的で自発的な活動はありません。何の強制力もないのに、自分の気持ちだけで持続していく・・・これはとても立派なことのように思います。

この自発的な活動を若いうちから身につけておくと、老いに備えることができるのではないでしょうか。

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